館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「 使用人がいた時はその子にお願いしていたわ。
でも、その子はここでの仕事があまり好きではなかったから、簡単な事だけお願いしていたの。
納品の数とか見た目とか…植物の特徴記載に相違がないかとか…、どうしても目で見て確認しないといけないことは私だけじゃ無理だから、使用人が居なくなってからは、依頼主さんにそう言った最終確認とかを手伝ってもらっていたわ。街の薬屋さん、商人さんとかね。
でも、私もあまり街へは出ないし、街には私の噂があったりするから、気を遣われたり、少し怖がられたり、そういう雰囲気が、ちょっと、苦手なのよね。」
彼からの質問に一間ばかり考えれば、手にしていた植物の束を再度瓶に挿し回答を。
もっと研究や加工・調合自体を誰かと協力しつつ出来ればいいのだが、今のところそこまで手伝ってくれる人はおらず、依頼を受け、其れをこなし、最終的な確認だけ他者を交えて間違いの無いようにする、といったところだ。
前の使用人はこのような仕事に全く興味を示していなかったし、反対に職業柄は同じでも魔女に警戒していて深い交流が幅かれる事が多かった。
少し俯き気味に話終えるが、「でもね」とすぐさま顔を上げてにっこりと優しい笑顔を向けた。
「私の仕事、なんだか評判は悪くないみたいで、お仕事自体は増えているの。だから、街に行く機会も増える予定なのよ。」
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