館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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彼が感嘆の声を漏らし自慢の仕事部屋を褒めて貰えば、それはそれは嬉しそうに、それでいて少し照れくさそうにしながら口を開く。
「 私もとても気に入っているの。褒めて貰えて嬉しいわ。
私に全容は見えないけれど、昼間は太陽の暖かさがよく伝わって夜は穏やかな静けさに包まれる、素敵な場所よ。
…今更だけれど、酷く散らかっていないか心配だったの…
でも、貴方の反応を聞く限り、なんとか大丈夫だったというところかしら。」
ずっと屋敷に閉じこもり仕事をする中で、この場所では周りも気にせず自然を感じていられる。日光に当たることも出来るが、野風や雨に晒されることもなく、人に見られることもない。それが自分にとっては心底安心出来る。
ゆっくりとテーブルに近づけば、瓶に刺さった植物を1束摘み取り、その葉や茎の感触を指先で感じ取る。
「普段は、薬草や魔法植物の研究をしているの。他にも、調合とか加工とか色々やっているんだけど…。
どうしても、手伝ってもらわないと出来ないことも多くて、これまでは他の人にお願いしてた事もあったの。」
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