館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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主人に連れられながら、案内された部屋の場所や用途を一つづつ頭のなかで思い返す。その全てをしっかりと記憶し、何度か自問自答して問題ないかを確かめた。そうして進んでいると、最後に案内されたのは主人の部屋だった。その部屋は質実ながらも壁一面に並んだ本が印象的で、華美な装飾こそ無いが、やはりどこか安らぐような情調を持つ部屋だと感じていた。
そして、仕事部屋として開かれた扉の奥は、自然と調和した美しい部屋だった。思わず、おお、と感嘆の声を漏らしながら周囲を見渡す。ガラス張りで開かれた空間は、周囲に配置された様々な植物と相まって、まるで自分が森の中で過ごしているかのような、癒しが得られるような場所だった。
「なんと、美しい。このような素晴らしい部屋であれば、お仕事の進捗も滞りなく進むことでしょう」
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