館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「 頼もしくて助かるわ。」
力仕事に自信がある と言った相手に優しく笑い、続けて部屋を気に入ってくれたようで安堵する。
そして、一度部屋の外に出ると、浴室や空き部屋に至るまで一つ一つの部屋について簡単に説明していき、上階の案内が終われば再び1階へと戻ってくる。
「そうそう、私の部屋も教えておかないと」と思い出したように手を叩けば、奥の通路を渡り突き当たりの部屋へ。
その広さは他の部屋とほとんど変わらないが、壁の一部が丸ごと本棚になっており本が所狭しと並んでいる。他の家具はと言えば、寝台とその隣に置かれた小さなサイドテーブルと卓上ライトだけ。それと、部屋の奥に扉が1つ。
「 用があればいつでも入っていいのよ。
表や大広間にいない時は、大体部屋か、この仕事部屋にいるわ。」
そう言いながら部屋の中を進み、奥の扉に手をかける。開くと、そこはまるで温室のような形をしており、ガラス張りの空間のお陰で青い空や裏庭の景色がよく見える。
中心に置かれた大きなテーブルには、小瓶や小鉢、本などが積み重なっており、棚に至るまで様々な見た目の植物が置かれていた。
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