館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「 ふふ、勿論、何かあった時は助けて貰えると嬉しいけれど、貴方にやって欲しい仕事は、主にこの家の管理と、私の仕事のお手伝いなの。材料集めを手伝ってもらったり、街へ出る時に付いてきてもらえると心強いわ。」
決意を新たに力強くの応えてくれる相手に再度礼を言いつつ、改めて仕事内容をざっくりと伝えながら、階段を上り切り広い廊下へ差し掛かる。
使用人がいない時は屋敷の掃除など全て1人でこなしていたし、必要な場合は魔法を使ってきたが、精霊の魔力も自身の体力も有限である上に、やはり盲目な自分が全て1人で行うには不便点が多い。おまけに、最近は街へ出る機会も増えているため、彼が付いてきてくれるならばこれ程心強いものはない。
そして、「何か仕事内容で気になる事があれば、いつでもなんでも聞いてね」と付け加えながら1室の扉の前で歩みを止めると、その扉を開けて室内へ。そこには大きなテーブルとソファ、天蓋付きの寝台などがあり、やはり古さは感じるものの広さも十分あり、上品な深緋色で揃えられた家具が揃っている。
「 この部屋を使って下さいな。隣には書斎も倉庫部屋もあるし、使い心地は私の保証付きよ。」
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