館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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主人に怪我が無かった事にひとまず安堵して、続いて階段を登る。昔から視界が闇に閉ざされたままの主人はこうした身近な危険に晒される機会も多かっただろう。かつての自分も夜間でも警備や戦いに赴く事があり、兜の狭まった視界も相まってほぼ何も見えない中で活動せざるを得ない事もあった。しかし暫くすれば夜目が効くようになる上、時間が経てば朝日が上り視界が開ける自分と、本当に何も見えず文字通り手探りで生きてきた主人とでは、比べ物にならないくらいの違いがある。その境遇に心を痛めつつも、これからは自分が率先して周囲に気を配り守らねばなるまい、と決意を新たにした。
「承知致しました。ビオラ様の為、私が最大限気を配りましょう」
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