館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「いえ、私はそもそも何の知識も持ち合わせていない身。こうしてお話をしていただけるだけでも喜ばしい限りです」
例え誤った知識があったとて、知らないということと知っているということには天と地ほどの差があるから、やはり主人が素晴らしい事に違いは無いと思うと同時に、幼い頃からずっと暗闇に閉ざされていたのかと心を痛めた。
「私にも煌めきのようなものが見えます。貴女の周囲を回ったり、私の頭上を漂ったりしております。やはり彼らこそ精霊なのでしょうか?」
普通は見えないはずのものが見えるほどに集まっているのは、この空間の居心地の良さか、はたまた主人の人徳であるのか。おそらく両方だろう。
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