館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「なるほど。直接力を行使する者ではなく、あくまで精霊と繋がる事ができる者が魔法使いであると。またひとつ、知識を得る事ができました。感謝致します」
魔法については“超常の力”程度の認識しかなかった為、主人の安心する声で理解しやすく説明されるのは、落ち着くと同時に世界が広がった感覚がして心嬉しい。元より本を読んだり人から話を聞くことが好きな性分である。こうして未知を既知とする感覚を味わうことができたのは僥倖であった。
(そして、悪しき者ほど瞳が赤く染まる……私が戦った相手も、たしか真っ赤な瞳をしていた。反対に、我が主人は澄んだ青い瞳をしている。きっと清く正しく生きてきた証拠であるに違いない)
主人の素晴らしさを胸中で讃えていると、この屋敷を歩いている時にも見た煌めきが集まっているのをしっかりと確認した。本当に錯覚ではなかったようだ。少々驚きながらも、自分の頭上へ近付いた煌めきへと手を伸ばした。
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