館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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……あら、風が随分冷たくなっているわ。
駄目ね、たまには外へ出なくては。
( 日が登ったとはいえ、肌寒い風が肌を掠めていけばぶるっと身震いをして、白く上品なワンピースの上からストールを羽織り直した。160cmの生垣に届かない程の身長に、狐色の真っ直ぐな長髪を揺らしながら玄関から伸びる小道を進んでいく。
進む最中は生垣に優しく触れていたが、敷地の端まで来ると生垣もなくなり、触れる対象が無くなった途端にぴたりと歩みも止まる。
何かを探すように左手を前方へ動かすが、澄んだ青い瞳は空を見つめたまま。暫くすると、探していたらしい郵便受けを見つけ、ほっと中を確認する。
とある森の奥には盲目の魔女がいると一部の民間では噂になつているようだが、どうやら、この屋敷に住む此の少女こそ、盲目の魔女らしかった。)
そういえば、使用人募集の案内書…うまく街へ張り出せてたかしら…。
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