誰が為に花は降り注ぐか

(ルト様、ディザスタ様、こちらこそよろしくお願い致します！
先に本部の方のロルを回させていただきますね。それから、もしお二人がよろしいのであれば前線の方に途中から参加させていただいてもよろしいでしょうか？もちろん不快に感じられたならば遠慮なく断っていただいて差し支えありませんので…！)




本部

「あっ……」
宙を舞う資料をキャッチできたのはほとんど偶然だった。いつも下を見て歩いているから、コードに付いたフードを被り直そうとしなければこの資料は床に落ちて汚れていたに違いない。どこから来たのだろうと少し見渡すと、藍色の髪を持つ女性の後ろ姿が目に入った。手にはいくつかの資料が抱えられている。きっとそこから離れたのだろう。見た感じ、資料が一枚無くなっている事に気が付いていない様子。多分言った方がいいのだろうけど、誰かに話しかけるのは怖い。一瞬このまま持って帰ってしまおうと思ったが、バレて後で怒られる方がもっと怖い。大丈夫大丈夫、すみませんこれ落としましたよって声かけて渡すだけ。マモノと戦う事に比べれば簡単なこと。そう自分に言い聞かせて、何度か脳内でシミュレートを行う。まず小走りで彼女のもとへ近付いて、そこから声かけて、資料を渡して、終わり。なんとかできそうだ。最後のリハーサルを終えていざ本番。走り出そうと足を前に出したが、
「あのーすみませｪｯﾍｪｱ！？」
何がいけなかったのだろう。盛大につまづいて転んでしまった。