えっと…斜陽と、人間失格を読んでました。 (後方から聞こえてきた教授の声に驚いたのか、廊下を歩く足に急ブレーキが掛かった。危うく躓きそうになりながら教授─がいると思われる方を振り向き、いつもの人懐こい笑みとぶんぶん振り回す尻尾の幻覚を浮かべながらそちらの方へ歩み寄る。ふと気になったのか教授の鞄にそれとなく目を遣り、「それで…教授は何をされてたんですか?」と聞いてみて)