匿名さん 2023-09-25 20:42:17 |
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ふむ、万民堂の看板が師匠ならば間違いないだろうな。楽しみにしている。
( 些か不安げな表情を見せる彼の姿に安心させるよう微笑みかけると、指通りの良い金髪を小さく撫でて。返事とともにあっという間に人を集めた彼の背を見守る中こちらも配膳を終えると一つ頷き。仕事の早い彼は湯気を立てるポトフが覚める前に全ての工程を終えたようで、各々に食事の挨拶を終えれば綺麗に磨かれた食器を手にして。それなりに浮世も長い身、体に染み込んだマナーに従ってスプーンを口に運べば芳しい香りと間違いなく美味と呼べる味に思わず眼尻を緩ませる。一度また一度と口に運ぶ手は言葉にせずとも旅人の料理の腕を称賛していることになるだろう。やがて問い掛けられた彼の視線ににこやかに頷くと、どうやら自身では未だ胃の腑に収めていないらしい旅人に瞬きを一つ。自身の匙でポトフを掬うと相手に向け差し出して )
ああ、とても美味しいよ。……だが働くばかりで食べていないじゃないか。献身は美徳だが、今はお前もこの美食を楽しむべきだ。
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