掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
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(相棒に患部を振り回すことを止められ、どことなくきょとんとしたような表情のままで一旦は─まあ、本音を言えば振り回すなんてとんでもない程の激痛なので─言われるがままに大人しく腕を下げた。「え、やっぱ折れてる~?マジか~…」自身でもとっくに分かり切っていた癖に、相棒からの言葉に態とらしく落ち込んでみせる。だが自身の骨折よりも服が汚れたことの方が腹立たしいようで服めっちゃ汚れたんですけど~、と血の滲んだ部分を睨みながらけらけらと乾き切った、感情の籠もらない笑い声を上げた。滲んだ血は既に乾き始めていて、最早帰ってから洗った所で取れやしないだろう。相棒の表情が歪むのを見ている内、胸の奥底に罪悪感とも、他の何であるとも取れない微妙な感情が僅かにざわめくのを感じる。その感情は自身が疑問に思うより先に、勘違いだったかのように心の中でふつりと消えていった。自分だって疲れている癖に此方の怪我を見せろ、と言う旨の相棒の発言を受け、「は~い、どうぞどうぞ~」といつもの軽い調子で捻じ曲がった腕を相棒の方へ差し出す。その際、差し出した拍子に走るズキリ、とした痛みに耐えかねたかのように一瞬表情が歪んだものの、すぐにいつもの表情を取り繕う。そして自身は心配そうな声を上げながら近寄ってきた他の職員に、先程と同じ場所にへたり込んだままでぼんやりとしている特殊個体の制圧を指示した。職員数人に周りを取り囲まれ、ふらふらとした足取りで専用車に移されていく特殊個体をぼんやりとした眼差しで見つめつつ、自身はぶっきらぼうながらも手付きは丁寧な相棒の手当てにすっかり身を任せていた。簡易な手当てが終わると職員の持ってきた自身の鞄から包帯を、そして腰に挿していた月光を抜き取り、月光を支え代わりに包帯をグルグルと腕に巻き付ける。が、巻き付けてから愛車のことを思い出したらしく、「…あ~!これじゃ運転できないじゃん!」と大声で叫んだ。その後相棒の方をくるり、と振り向いたかと思えば「運転お願いして大丈夫~?アーネスト」と健常な方の片腕で軽く謝意を述べて)
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