掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
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( 一つ見ては本棚に戻し、また別の資料を手に取って。細かい文字や式ばかりが綴られているそれらを、何か探るように辿っていた視線は、叩かれた肩に途切れて上がる。自ら招いたもの、驚きはしない――しかし。己の名を呼ぶ声が、いやに甘く耳に付いた事に、動きも言葉も一瞬止まってしまう。「……いや。」返事が喉を通ったのは、相棒がソファーへと離れてから。その後、置かれた物の確認にテーブルへ視線を向ければ、其処にはペンが一本。黒一色の細身に何処かのロゴが銀色で記されたそれは、何時からか失くしていた己の物。「……これの為に。」ひょいとそれを指で摘まみ上げ、呆れか納得か、どっち付かずな呟きを落として漸く相棒の方を振り返れば、此方を見詰めているその瞳と搗ち合う。その顔付きは普段の悪戯な明朗さとは違い、いつか己が彼を訪ねた日のように静謐で、酒に記憶を飲まれた夜のように柔らかくて――また、調子が噛み合わなくなる感覚。むず、と胸の深くが微かにざわめく心地が、泳いだ目と食い締めた歯に顕れた。「……少し待っていろ。」ペンも資料も一旦纏めて置き直し、彼に声を掛けてキッチンの方へと引っ込む。部屋とは違い物の少ない食器棚から新品同様のカップ二つに、然して中身の減っていないインスタントの珈琲瓶から、一人飲む時と同じく少し濃い量を淹れて、またソファー傍へ。テーブルにそのカップ――無論一つは相棒の前へ、もう一つは少し離した位置へ下ろし、ついでに研究用デスク上に散っていた小包装のチョコの幾つかをその間に適当に転がした後、己もソファーに腰を落とす。平時、機関のロビーでそうするように当たり前に相棒の隣に座って、だが今は彼の纏う妙に甘ったるい空気に落ち着かず、手に取り直した資料に視線を逃がし、「……よく私の家が解ったな。」ズレてもいないブランケットを片手で身体に巻き直しながら、普段を装った素っ気無い言葉遣いで此方から相棒に声を掛け )
(/ よ゛う゛こ゛そ゛!!!(爆音返し)はわ…はわわ…(心停止寸前)アーネスト大丈夫…?まだ序の口だってよ…?お前こういうの免疫無いから、もう既にそわっそわしてるけど保つ…?() )
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