掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
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( オーバーヒートで上手く思考が纏まらない。脳に巡らせる血が足りない。今はただ何も考えず、相棒の背に凭れて流れる風を受けていた。…ふと、頭の上に何かが乗る。振り払う事はしなかった。抵抗する気力が無いのもそうだったが――それは、妙に心地良くて。退けてしまうのは、惜しい気がして。重い瞼を閉じて細く息を吐き、その手を受け入れた。そんな静かなやり取りの後から暫し、相棒から声が掛かって視界を開ける。「……ああ、そうする。」報告だの何だの、今は放っぽって相棒の案に乗り、ロビーの席に座って彼を見送るなり額からテーブルに突っ伏す。ヒヤリとした無機物の温度に熱を奪ってもらい、じわじわ冷静になり始めた頭で改めて今日の特殊個体について考え始める。物が個体そのものであるそこそこ珍しい事例。あれの引き金は視線の合致。その能力は、「……感情の反転、か。」結論。愛を憎悪に変えて、信頼を嫌悪に変え、そして――守りたい、補いたい、支えたい。その欲を、“壊したい”“殺したい”に変える精神操作。受けたからこそ解る事。あれは、元々感情を持っていなければ反転などしようもなく――加えて感情が、想いが、強ければ強い程反転したマイナスも強烈に顕れる代物だ。「……気を付けねば。」何が、何に、とは言わないまま思考を纏めて、テーブルに広げていた上体を起こす。そこで丁度現れた相棒の姿に、先に立ち上がる。まだ多少熱と貧血でふらつきはしたが、随分とマシになった。「後は報告か…」至極面倒そうに顔を顰めて、だが相棒と歩を共にする。その道中、「……イヴ。さっきの仕事中の事だが、」足音の隙間を埋めるように相棒へ一つ投げ掛ける。「あまりにも甘ったるい。自分を殺しに掛かってきている相手に対し、傷一つにすら迷いを残すなんぞ、愚行が過ぎる。」それは一先ず自分の事は棚上げしての、相棒の仕事ぶりへの苦言。「…生かしておくにしろ、目を潰すか、手足の腱の一つも切ってしまえば、あんな余計な傷を負う事も無かっただろう。」油断、情け、容赦。そんなものは己を危機に晒すのみ。吐き捨てる苛立ちは、どうも相棒へだけではなく、自分にも向いている。「今回は運良く個体の能力が未熟で、ある程度反抗出来る隙があった。だが、」一瞬、目を泳がせる。今はただ空っぽの、武器を握っていた片手が、握り開かれる。――あの相棒に向けた引き金の感触を思い出したように。「…もし、次があるなら。迷うな。切り捨てろ。撃ち抜け。……私に貴様を殺させるな。」あまりに一方的で、ぶっきらぼうで、不遜な物言いに――信頼と心配を乗せて、隣に並ぶ相棒を睨むように見据えて告げた次、「……まあ、そもそも。その“もしもの次”なぞ来させる気も無いがな。」ふんと鼻を鳴らし、一応と己の非も遠回しに認める言葉を置いた後、今度こそ完全に顔を逸らして )
(/ 解って頂けますか!!好きなんですよ!どうにもならない窮地に陥った時、一か八かで奥の手を使って出来上がったものを相棒に託すやつとかが!!私好物なんです!!()良かった!いつものイヴさんだ!ほらイヴさん!アーネストもいつも通りに戻りましたよ!!どうぞ!!() )
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