斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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──
…っ、…ここは……?
( ズボンに入れていたスマホの振動と音に失われていた意識がゆっくりと浮上する。薄ら目を開けると見慣れない部屋。中は狭いホテルの一室のような作りになっているようだが、体を動かした瞬間、右の手首に手錠のようなものがはめられていることに気が付く。すると入り口から入ってきた1人の男が。何やら大柄で、顔つきからして普通の人ではないことがうかがえる。)
「よぉ。やっと意識が戻ったか。…お前が斎藤悠介の恋人か?」
( 入室した部屋の中にいる相手を見る。以前部下に写真を撮ってきてもらった人物と相違がないと分かると、相手の前に行き質問を。)
…、違う。俺は、斎藤くんとは何も関係な…っ
( 否定をしようと首を振った瞬間、髪を掴まれ引かれると身動きがとれないまま床に倒れ込む。悔しそうな表情で、こちらを見下ろす男を睨み付けると、男は笑いものにするかのようにその様子を見て。ふと今の瞬間にポケットからスマホが出てしまったことに気が付くと、しまったと心の中で思い。)
「あァ、嘘はつかねェ方がいい。生憎、俺は短気なんでな?お前がアイツの恋人だって証拠はこっちは沢山持ってんだよ。…、さて、今のお前の状態をアイツが知ったらどうなるかな…?ククっ」
( 睨み付ける度胸はあるが、そんなものはなんの意味もないと嘲笑うと掴んだ髪を離し、床に落ちたスマホを手に取って、近くの椅子に腰をかける。いとも簡単に開かれたスマホの画面から彼の連絡先を見つけると、通話ボタンを押して。 )
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