斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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( リハーサルを無事に終え、最後の打ち合わせと言うよりも皆で雑談をしていたら徐々に舞台外に集まってきた人の声が裏にも聞こえてくる。縮み上がる一年を見て二年、三年は笑いながら鼓舞すれば全員で円陣を組んで外には洩れぬように声を潜めて掛け声を。それを終えると先陣を切って二年のバンドがステージに上がり開始の挨拶も無く曲を奏で始めればザワついていた空気が一瞬で静まり返り、曲が終えれば歓声と拍手が体育館内に響き渡り、そのメンバー達は頭を下げると裏へ行って次のバンドと交代する。途中、一年のバンドが音を外したりとミスをしたりしたが順調に進んでいくライブを舞台裏で見ながら高校生活最後だということを噛み締める。そして時間は経って観客のボルテージも上がって行く中、遂に最後自分達の番が来ればステージに足を踏み入れてマイクの高さ調整を。その途中に群衆の中に彼を見つけると微笑み、手を振りそうになるがそれは控えれば一度観客を見渡す。ご丁寧にファンサうちわを持っている人達も見え、その中でとある文字を見つけると笑いを洩らし )
っふ、はは…!ちょ、そこの。真ん中らへんにいる子のうちわ見てあれ、"ファン続けたい。留年して!"って書いてあんだけど。
……本人めっちゃ喜んでんだから良くない?…そういう問題じゃないか、じゃあ始めまーす。
( マイクが入ったまま少し離れてはいるが隣にいたベースに近付いて楽しげに指を差しながら話せば観客は歓声に近い声でざわめくも「人に指を差すな。」と至極真っ当な返答と共に頭を叩かれる。ぶつくさ言っていたが自分の位置に立ち直すと最後とは思えぬ程軽い挨拶を。言い終わったその直後にカウント音も無く各楽器が出だしをピタリと合わせて曲が始まる。音響品質は最高で、音を出すのがとても気持ちいい。自分の歌声が、楽器を弾く音が周りと一体になって全体を包み込んで駆け抜けて行くような感覚と観客のボルテージが最高潮まで引っ張られているのを肌で感じて楽しげに目を細め )
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