匿名さん 2023-08-22 20:24:32 |
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………はい。
( 顔をあげろ、との言葉に返事を返せば、ゆっくりと顔を上げて此方を見つめる瞳と目が合った。
部屋に入る時から目を伏せていた為、主の顔を見るのは初めてだが、冷たく向けられたその視線に、小さく口角を上げはするものの特に顔色を変えることも無く、視線を逸らすこともない。
似たような視線には多少慣れているし、身内から向けられるものに比べれば何ともない。見返りさえ求めなければ、案外人間というのは生きやすい、と思う。)
早速ですが主様、ご入用のものや雑務などありましたら、何なりと、このハルへお申し付け下さい。
( 胸に当てていた手を下ろし背の後ろで両手を揃えると、尚も視線を逸らすことはなく、微笑みながらも淡々とした口調で何か仕事は無いだろうかと尋ねてみる。
この屋敷での仕事に慣れるまでは、せめて言われた事を完璧にこなして行く必要があるだろう。なるべく余計なことはせず、大人しくして様子を探ろうという考えのようだ。)
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