匿名さん 2023-08-22 20:24:32 |
通報 |
…………
( 夏特有の暑さに少し苛立ちを感じながら足を組み、声は聞こえているはずなのに黙ったまま視線を向けることなく読書を嗜む。
相手が胸に手を当て、お辞儀をする動作をほんの僅かも崩さないのを視界の端で確認すると読んでいた本を閉じて机に置き、窓から差し込む日差しを遮断するうにカーテンを締め切る。
再び椅子に座ると机に肘を置き、手に顔を乗せると貴方の姿をじっと見つめる。)
顔を上げろ。
( もう一段階頭を下げる姿を見て、お世辞にも柔らかいとは言えない口調と声でそう言葉を発する。
ミヤビ家。どこかで聞いたことのある家柄だと記憶を探るように思考をめぐらせる。名の認知度が段々と薄れていった所かと大雑把に思い出し、そんなミヤビ家の一員が自身の家に来たのかは謎だが強い興味がある訳でもないので聞かないでおく。
また使用人が来たか、どうせ逃げ出してコイツも辞めるだろうと内心つまらないそうに感じながら、何の情もない、冷たい視線を向け、相手が頭を上げるのを待つ。)
トピック検索 |