龍神 2023-08-20 23:05:18 |
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!、………お父さま、めっ。
(シロップをかけるその瞬間が一番期待値が高まり気持ちが高揚してワクワクが抑えられなくなる中で、その瞬間を大好きなお父さまに譲ると言うのは後ろ髪を引かれて諦めるに諦めきれない所。そんな時にシロップ以上の甘やかしの声と殆どを残してくれた状態で戻してくれた優しさに、単純にも嬉々とした感情をほんの少しも抑える事が出来ずぱあ!と明るい表情になり。シロップピッチャーに指先を絡めて、パンケーキに向けて傾ければとろっとした中身がこぼれ落ち。この瞬間が楽しくて嬉しくて仕方がないのだと音や声が無くとも幸せを全身で表し、まずは先にパンケーキを頂こうとピッチャーを置くのとほぼ同じタイミングでお裾分けをしたはずのフルーツサンドは、渡したはずのお兄さまではなくお父さまが食べてしまっている姿と対峙して。思いもよらない状況に己の動きはぴたりと止まり、耳に届くのは罪悪感を掻き立てる落胆の声。もっとお兄さまの事を知っていたなら騙されることは無かったのかもしれないが、落胆が本当の物だと疑わずにチョロいがそう受け止めてしまえばパンケーキに口をつけることは出来ず、黙ったままキョロキョロと二人の顔を何度か見比べて。たっぷりの時間を置くとお説教をする為に頬を膨らませて、私は怒っているぞと表に出して前述の注意を送り。「お父さま、れめはケチんぼより優しいお父さまがすきよ。……お腹がすいてたなられめの分、食べてもいいの。だからお兄さまにいじわるしないで」お兄さまが作る悲しい表情が見えない矢となりちくちくと罪悪感を与えるのか、今の行為が空腹のせいならばと父に向けたフォローを入れつつフルーツサンドの皿の角度を変えてもう一度お兄さまへ。お説教モードにスイッチが入ったせいか初対面ながらに喧嘩平等と注意をつけ加えて)
お兄さまも美味しいものを前にして、悲しいお顔はだめ。
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