龍神 2023-08-20 23:05:18 |
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お父さま、ありがとう。お父さまのお陰でれめの痛い痛いは消えちゃった
(寒く冷たく感じる程に恐ろしく怖かった空気が、あっという間にようく知る優しくて甘やかしてくれる甲斐甲斐しさに変わる。元より怪我をしたなんて嘘っぱち、少しも痛くない指に大袈裟な手厚い手当が施されると嬉しそうにふんわりと笑顔を咲かせて差し出していた手を引き戻し。誰がどうみても過保護過ぎるだろう心配に大丈夫だと答え、好奇心に従う耳は聞きこぼさずに”お友達”の声を拾っていて。お父さまのお友だち、詳細は知らないけれどお酒を嗜んだお父さまがその存在について話したのを聞いたのはいつの夜だっただろうと記憶を巡らせて。見た目の柔らかさと同様に優しい手で髪に触れるといつも触れる手との違いに口を結び。「お友だちのお兄さま。ふふ、変なことを言うみたい。んふふ!……お兄さまはお父さまと同じでれめとは違う立場の方だわ。そんなお兄さまがれめに求めるような妙妙たること、できる気がしないもの」腹を開いた本音は気になるの一択。滅茶苦茶気になって仕方がない。メニューの相談の時には間違いなく居なかったのに、言い当てるのは勘の良さや推理生の高さとは違うはず。でもそれに乗ってしまえば大好きなお父さまが良い気をしないのもわかる事。だからこそ惚けて知らんぷりをして目の前に置かれた品に両目を下ろし、絆創膏の巻かれた手を重ね合わせて食前の挨拶を。)
にこ並んだらお父さまといっしょ、とってもきれい。……いただきます
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