悠々と、社にて (〆)

大丈夫、大丈夫。最近はこういうの無かったんやけどなぁ…人はみーんな可愛ええけども神社荒らされるんは困るし、ちょっと確認のお話だけしてくるわ。

(ポンと彼の頭を軽く撫ぜると階段を降りて学生達との距離を近付ける。鼻に付く煙草の香りに微かに目を細めるもにこやかな笑顔を作り挨拶をする、が、挨拶だけしかしていないのに何故か掴まれる胸倉、次いで耳に入るのは蝉の声を裂く様な怒号。最近の若者はキレやすい、だなんて話を聞いた事はあるがこうも繊細なものなのか？とつい不思議な表情で見つめてしまう。その間にも学生達は勝手にヒートアップして今にも殴りかかってきそうだ。さて、どうしたものかと頭を悩ませる。軽く仕置をするのは簡単なのだが、寛人がその様子を見て自分に対して怯えてしまったりしたら正直堪える。困った表情で鳥居下に居る彼に目線を送ると"拝殿の方へ戻って"とひらひらと手を振って)