草紙 2023-07-25 19:05:42 |
通報 |
▼ 一条文子 様(>>51)
(彼女の返答へ手短に首肯した後、傲慢な九十九神は廊下へと身体を滑り込ませた。彼女が座すその室内は緊張した静寂を保つ筈、廊下の向こう側では何某かの話し声が聞こえるかもしれないが、それも意味を持つものではなく。呼吸を何度か繰り返す程の間、徐々に収束していく話声に反して頭上の天板から不穏な音が覗く。まるで誰かがその上に乗っかっているような不調和の音と共に、『おおっ、人間か!道理で彼奴らが浮かれていたわけよ。』と間延びした声が掛けられた。素っ気ない天板とは裏腹に喜色を持った声音は、その他に面白がるような響きを含ませており、ニンマリとした顔を想起させるかのようで。全く姿を見せないその存在は天板から降りることもせず、ただ呵呵とした笑い声に矢継ぎ早の質問を重ねて)わっはは、なかなかどうして面白いことになっているじゃないか。お前さん、どの捨て子に会ったんだい?
トピック検索 |