草紙 2023-07-25 19:05:42 |
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>>45 / 折化様
欲しいもの。欲しい……えっと、そうだなぁ……。
(インクもないまま文字を綴る筆もさることながら、寸分の乱れもなく刻まれていく『寝台』の線を食い入るように見詰めては、印刷したようだと心の内で。見入る意識を引き戻したのはふわりと鼻腔を擽る檜の香り。先程までは明らかに無かった、あれば気付かないはずがない物体が鎮座する様に、声こそ上げなかったものの衝撃を受けるには十分。本当に一通り揃えられるらしいと理解した頃、実践を促されたとてすぐには思い浮かばず首を傾げて。暫しの思案をした結果、今日は髪を結っていたことを思い出した。心做しか緊張した面持ちで書いた『櫛』は少し丸みを帯びた文字、彼との差に妙な羞恥を覚えては小さく咳払いをして)…た、たとえばこれとか。
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