草紙 2023-07-25 19:05:42 |
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>>29 / 折化様
せつ、か…。…折化さん、(謝罪と共にいとも簡単に解放される。すぐにでも此方を害する様子はないらしいと一先ず胸を撫で下ろして。服装こそ珍しいものの一見すればただの青年、その姿に警戒心は緩みかけ、彼に釣られるようにして背筋を伸ばして居住まいを正した。そして交わる視線の先、漸く伺い見られた人外の片鱗。瞳の中で踊る花に目を奪われ半ば無意識に「綺麗」と小さく独り言ちた矢先、再び触れ合った手の感触ではっと我に返り、視線でその指先を追いながら名前を反芻して。どちらの答えも求めていたものには到底足りないが、一度それは飲み込み新たな疑問に首を傾け)
……そう、ですか。でもどうして私が、何のために?私を捕まえたって、利があるとは思えないのに。何か力を持ってるとか、由緒正しい家の生まれとか、そういう特別な人間じゃありませんよ。
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