匿名さん 2023-06-18 15:13:18 |
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〈 碧棺 左馬刻 〉
……そっち。
( 彼女が自分で気に入ったものを選ぶと勝手に思っていた為、意見を求められ思わず目を丸くする。どちらを選んだら彼女にどう思われるか、それぞれ初心なティーンのように会話の余裕を捨て去りながら考えてしまう。暫しの沈黙を照れが滲んだ口元で破ると、躊躇しながらもフリルのついた可愛らしいビキニ型の水着を指差した。自分でも熱を帯びているのが嫌という程理解でき、顔の熱を覚ますために口元を手で覆い隠す。真っ白な思考の中で思い浮かぶのは、煌めく水面と夕陽を背に水着姿で可憐に微笑む彼女。酷く浮かれている自分に嫌悪感と羞恥心を抱きながら、まだ若干の熱を残したまま口元から手を退かす。水着から逃れるかのように視線を逸らせば、その先には浜辺やプールサイド用の小物類が同じスペースに並べられていて。 )
……行くんならサンダルいるだろ。あと、日焼けしないようの帽子とか。
〈 鵲裳 つばさ 〉
ごめん、でもでも並んでピースとかだと思って……
( 耳まで赤くしたまま両手をふるふると振り、謝罪の言葉を口にするものの想定外の事態に思考と言葉が追いついておらず。そのままそっぽを向いた彼へかける言葉を探していると「 お互いのほっぺたを摘んでみよう! 」と宣告のようなアナウンスが響き渡った。普通の人はこんな事が平気だと思うぐらい人と親密なのだな、と別の立場の群衆たちに思いを馳せる間もなく無慈悲にカウントダウンは時を刻み続け。事の発端である自分を主導にこの場を切り抜けなければならない、謎の使命感が心の奥底で芽吹きだしたのと同時に、自分の手をこねくり回すという照れ臭さを隠しきれていない仕草と表情で恐る恐る彼に何故か敬語で話し掛けた。 )
あ、あの……ほっぺ触ってもいいですか?
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