木之下茜 2023-06-02 21:48:23 |
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あれ、ドアノブに何か掛かってる。もしかして茜さんから…?
(帰宅後。ピンク色の紙袋を持ち上げてリビングで中身を確認してみると、予想外にも誕生日プレゼントだった。アロマファンにアロマオイルと何とも彼女らしいチョイスで微笑ましくなり、手紙の筆跡からは忙しい合間に自分宛の贈り物を考え、そして心を込めて書いてくれた様子が脳裏に思い浮かぶ。箱に付属していた説明書を眺めながらアロマファンの電源を入れると、殺風景なデスクトップがほんのりと色付いたように思われた。ゲーミングチェアに腰掛けて馥郁と匂うアロマの香りをゆったりと堪能しながら目を閉じると直に微睡み、意識は宵闇へと溶けていって。)
茜さん。感謝してもし切れないですよね。
初めて会った時のこと、昨日の事のように覚えてますよ。
色んな意味でいそがしい人だなって思ったのは内緒です。
けど、俺のことを真っ直ぐに見ていてくれましたね。
そんな所に惹かれました。
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プレゼントありがとうございました。
お礼はお祭りのときにさせてください。
そして直接、俺の口から茜さんに想いを伝えます。
おやすみなさい。
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─── これは眠りにつくすこし前に書かれたメッセージ。
普段のトーク画面に送られることはなく、あまり使わないメールアドレスで秘密裏に送られたもの。まだ伝える勇気はないけれど、貴女への恋心は恒星のような輝きを放っている。
(/連投失礼します。先程はサプライズプレゼントありがとうございました!山田もきっと喜んでいるはずです。そして誕生日と記念すべき100話の更新日が同日だなんて、思いがけない幸運ですね。今宵は夢の中で二人が巡り逢えますよう心から願っております。こちらこそ背後様と物語を紡ぎ始めてから毎日が彩り豊かになって、大変幸せです。これからもどうぞよろしくお願いします。)
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