匿名さん 2023-05-23 23:58:59 |
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「ありがとう。そこの同僚を連れて少しだけ離れていろ
さぁ、指導官。構えろ、大口を叩く実力を見せてやるといい…そして、俺にも示してもらおう」
(手渡された剣を受け取り、礼と指示を告げてから視線を戻し指導官の片手にも握られている模擬剣を顎で指しながら眼前に剣先を突きつける。すると次第に指導官の手がカタカタと震え始め"そんなの…ムリですよ…"と蚊の鳴くような声で呟いた。やはり、下と見れば大きく出るタイプの人間のようだ。だが、ここで見過ごせば行いは繰り返されるだろう)
「敵の実力を見極め撤退するのも生きていく為に必要なことだ。その能力は評価してやるが……
お前はどの立場で俺に意見している?」
(あからさまに暴君の一部を上司のレアリスに見られ、それでも尚他人へ罪をなすりつけ逃げようとする姿勢が醜く兵士としての志も感じられぬことがレアリスには許せなかった。目を細め視線だけで怒りを表すと正に蛇に睨まれた蛙のように縮み上がり、レアリスに従うしか選択肢の無くなった指導官は剣を頼りなく構えた。
その後は一瞬だった。半分以上冷静さを欠き振り下ろされた剣をレアリスは身を軽く引き剣を振ることなく添えるように受け止めると鍔まで刃を滑らせ引っ掛けるとお手玉をする感覚で指導官の体ごと上空へ弾き飛ばし、後方へ投げたのだ。
どさり、と落ちる音を聞いてから
「処分は決まり次第連絡する。それまで大人しくしているんだな」
と視線を向けることなく用件だけ伝えてから改めて、指導官の暴君に耐え心身疲弊しているであろう彼らへ向き直ると目を伏せ、小さく頭を下げ)
「こちらのミスで君達には苦しい思いをさせてしまったこと、ここに謝罪する。今後こういったことが起こらぬよう細心の注意を払って本日中に後任を決定し連絡する。今日はしっかり体を休め明日に備えてくれ、以上だ。」
伝え終えてから剣を借りた彼の前へ歩を進めると剣を差し出して
「これを返す、素晴らしい行動力だった。」
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