匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( 自分の頭を撫でる彼の手が大きくて、そして優しくて。生まれてこの方誰かに頭を撫でられた事など今の今まで1度もなかった椿はその温かさに泣きそうになってしまったのは、自分の胸の中だけに仕舞うとして。ゆっくり休めと部屋を後にする彼の背中にもう一度お礼を告げては深深と頭を下げ、サァ自分は急いでこの大量に戴いてしまった服を片付けなければと一息。着ていた上等な服は汚してしまったら大変なので一足先にクローゼットの中へかけ、いつも勝手着として着ていた着物をサッと適当に着付ければたすきかけをしたあとにどんどんと服を紙袋から出してはクローゼットへ。出してはクローゼットへ、と繰り返していくうちにいよいよおハナの心遣い……もとい爆弾の袋に手を伸ばして。どんな武具が入っているのかしら、とゆっくりと袋の中身を確かめようと覗き込んだ瞬間。「 ッッ、わかりました! 」彼からの浴室の場所を知らせる声掛けにまるでイケないことをしているのがバレた子供のようにビクゥッッと肩を跳ねさせて。正直ビックリしすぎて浴室の場所はちょっと記憶に曖昧だったが、マァなんとかたどり着けるであろう。扉の向こうから彼の気配が消えたのを何となく察すれば、深々とため息を吐きつつ今度こそ!と袋の中身を改めるなどなんだか1人で格闘していて。 )
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