匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( 花街という場所は忌むべき場所で、あまり好まない。だからこそ、遊郭で見かけた穢れのない人形のような椿をその鳥籠のような場所から出してやりたかったのかもしれない。それは見方を変えれば椿という女を欲しかったという花街に飛び交うのと同じ、卑しい動機でもある。その事実から目を逸らすために、こうやって欲の捌け口としてではなく、健全に寵愛を向けている。それがいつまで保つのかは知らないが。後部座席から荷物を取り出すと、急に相手が騒ぎ出せば何事だと首を傾げて。椿曰く、この模様の違う紙袋は重いから自分が持つとのこと。一度に複数の紙袋を持ったために細かくはわからなくて、はて、それほど重かっただろうかと首を捻れば何を思ったのか、相手の指差す模様の違う紙袋を持ってゆさゆさと揺らして重さを確かめて。確認したところそれほど重くないどころか紙袋の中で1番軽いまである。まるで"布が少ない"ような、はたまた"布が極薄"のような…。ゆさゆさとゆらしたためか、その紙袋の口が次第に開かれていき、あわやと言ったところでかろうじて中身が見えないくらいところで止まれば「 大丈夫、気にしなくていいから椿は残りの袋を持ってきてくれ。 」と中身がわからないまま、その爆弾を持って屋敷の中へ入り。)
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