匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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─── ……はい、旦那様。
( 〝2人で〟。その言葉に椿は声を出して笑いそうになってしまうのを堪え、あくまでも幼子のように無邪気な花の咲くような笑顔で頷く。残念ながら相手が悪かった、客をとっていないとはいえこちとら生まれてずっと男を手のひらで弄ぶ世界で生きてきたのだから一介のウエイトレスには負けない。大人っぽさで叶わないのであれば小動物のようにか弱い愛い女で勝負をすればいいのだ、大体の男は頼られることが好きだから。すっきりとしたら気持ちでどうやら家に帰るのだと察せば、この一日でスッカリ大好きになった優しい手の感触にふわりと頬を緩め。自分もそっと其れを握り返しながら車へと向かう道中、ふと顔のみでちらりと彼女をふりかえってはそれはそれは美しい〝女〟の笑顔を唇に貼り付けて。 『 ごきげんよう 』 と口を動かしたのは彼女には伝わったのだろうか。椿はなんだか言いしれない高揚感と、それからスッキリとした感覚と、これからもきっとこういう女が増えるのであろうという未来にぱちり、と1度瞬きをしては上等だと唇を釣りあげ。 )
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