匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( まさか馬鹿正直に「 花街生まれ花街育ちで今日身請けした。 」などと言えるはずもなく、妹だと言い張るにも兄妹がいたことなど話してなかったために突然すぎて不自然に思われてしまうだろう。であれば、ここでは椿のことを侍女としていれば都合もいいと思っていて。いつものように…いや、いつもの花のような笑顔のはずなのにどこか影を感じる笑顔と普段の鈴のような声とは違い、蜜のような甘ったるい声で甘えてくればその様子に心の奥が波立たされ、「 あ、あぁ…。椿の腹の虫が暴れん坊だったからな。 」と、喫茶店にきたのも相手の腹の虫が騒ぎ始めたからだと、水面下で起こっている女同士な駆け引きのことなど知る由もなくデリカシーに欠ける…いや、欠片さえない発言をしてしまい。 )
( この女狐め。侍女で子供だと思っていたが、男性の気をひく手練手管を習得しているし、それに侍女ともなれば下手したら1日の半分近くをこの2人は過ごすことになる。なかなか手強い。そんな貼り付けた笑顔を向けても無駄、わたしにはその笑顔の奥はお見通しだ。いつかその本性を暴いてやると闘志に火がつくとそこに常連さんの水を指すような発言が出て。思わぬところで落とし穴に引っかかってしまった女狐に笑いを堪え、そのまま押し込んでしまおうと思えば『 マッサン、これ。この間『ウチの家で』美味しいって食べてくれたカツサンド。持っていって。 』と可愛らしい包みに包まれた弁当箱を『ウチの家』を強調しながら、相手の手をしっかりと握りながら渡して。ぽっと出の女狐と違ってこちらは親密に交流してきたんだと暗に主張しては『 包みはいつでも返していいから。 』と、次の逢瀬の時をさりげなく約束させて。 )
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