匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( 己がどんな台詞を口にしたのかも気にもしていないのか、椿が不自然な様子で視線を逸らしたことにただ首をかしげるだけで、その頬が本人の瞳の様に赤く染まっていることにも気づかず、扇の棚へと向き直る相手の背中を見送って。自分もなにか、いい扇はないかと、素人目ではセンスはないかもしれないが、あくまで芸術品観賞のつもりでそれらを眺め。あらためて眺めてみると、どれもが雅でありながら力強い、確かな芯を持つ力強い雰囲気を醸し出しており、「ほぅ」と感嘆の息を漏らして。そうやって眺めていると、一つの扇に目を惹かれ。その扇は赤色の風景に銀色の月が浮かんでおり、地面には椿が咲き誇っているといったデザインで。「 椿、これなんかどうだ? 」と相手に声を掛けながら経験者の意見を聞いて。 )
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