匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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──── …ありがとうございます、!
( 優しい声と、それから優しい言葉。椿の心配事を全てほろほろと溶かしてしまうような暖かな其れに、ちらりとそらした蘇芳を戻せば穏やかな夜空の色とこちらに差し伸べられた手が目に入る。恐る恐る、ゆっくりと、真っ白な小ちゃい手を、慣れない車からそっと降ろしてくれた時とおんなじ優しくて大きな手に重ねては、暖かな彼の体温にふにゃりとはちみつが溶けるように笑って。なんて素敵な旦那様なんだろう、なんて優しい人なんだろう!先程まで心配だった心がいつの間にか綿菓子のようにふわふわ軽くなって、それからそれから直政様はどんな服を着た女の子が好きなのかしら、なんて浮ついてしまう。上背があるし精悍な顔立ちをしている彼は、花街の客の中でも裕福な上客しか着ているのを見たことがない洋装に身を包んでいる。まるで役者さんみたいにカッキリ着こなして。優しくて、とっても素敵な旦那様。椿は重ねた手をキュ、と握っては「 直政様のお傍に置いていただいて、幸せです。 」と嫁入り前の娘のように目尻を提げて笑い。 )
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