匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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…なにか言ったか?
( 立ち上るカツの香りを胸いっぱいに味わっていると、口元を隠している相手からなにやらぽつりとした声が。あまりにも小さい声だったので聞き取れなかったため、ほんのりと頬を染める相手に問いかけて。並べられた夕飯をなにだか思い詰めたような表情で眺める相手が、小さな声でつぶやくと、料理の経験の差というものを見せつけられてどうも焦っているようで。その白魚のような細腕を見れば炊事などをしてこなかっただろうことが窺える。すぐにでも役に立ちたいとする相手に「 ゆっくりでいいんだ。椿はまだここに来たばかりなんだから。 」と、慰めの言葉をかければ食事を促す相手に頷いて手を合わせて。お土産のメンチカツは、完璧な味加減、揚げ加減で一口齧り付けばたちまち肉汁が溢れてくる。「 うん、うん。 」とその味に満足するように頷けばそういえばと口の中のものを飲み込んでから「 今日一日、どうだった? 」と、この屋敷に来て初めての一日は大事なかったかと問いかけて。 )
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