匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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( こちらの与えた仕事に、不自然なほどに愛らしい笑みを浮かべる相手が頼もしく頷くと、途端に心配になってきて。いきなり相手を屋敷に1人にしてしまっていいのだろうか、怪我をしたらどうしようかと不安に駆られ、子供にはじめてのおつかいを頼む親とはこのような気分なのだろうかと考えてしまって。それでも、力強く頷いてくれる相手を信じるしかなく、壁掛け時計の針に急かされればいざ出勤となって。そこで、相手が不意にこちらの胸に手を添えて耳元で囁いてくると、まるで朝の夫婦の睦み合いのようなひと場面に心が暖かくなるような、むず痒くなるような。その鈴のような声が耳元近くで優しく鳴ると頬を赤らめれば「 あ、あぁ…行ってきます。 」とこの屋敷に来てから誰かに見送られたことなど初めてのことで、帰りを待ってくれる人がいるとはこんな気持ちなのかと思わず表情が綻んでしまいながら、屋敷を出ていき。 )
~夕方~
( 今日も一日つつがなく仕事を終え、おつきの運転手が運転する帰りの車に乗る。普段と違ったのは、仕事中、椿は何してるだろうか、大丈夫だろうかといった不安が幾度も頭の中によぎったこと。そのおかげかいつの間にか終業時間になっていて、なんだか既に相手に毒されている気がすれば末恐ろしく感じて。途中、星ノ喫茶に立ち寄り、おりょうに包みを返してから屋敷に戻れば「 ただいま。 」と、己の帰りを待ってくれている椿になんだか口に出すのも久しぶりな気がする言葉を口にして。しかし、その手には朝に持っていった包みと似た趣味の包みを提げていて…。 )
( / スキップさせていただきました!一つ相談なのですが、これからどんな話を展開させていきましょうか? )
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