少年 2023-04-23 20:24:13 |
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( 暖かくなってきたかと思えばまだまだ夜は冷えるようで…パーカーの袖を己の手とともにポケットへ突っ込めば深いため息を夜空に吐いた。
毎日毎日、昼間からこんな時間まで働いていても給料は少ないし、かといって自分のようの人間を雇ってくれるところは限られている。息をしているだけで、なんの面白みも生きがいもない。
だけど、ずっと心の中で誰かに認めてもらいたいと願っている。
__辺りを見渡せば、自分とは異なる容姿が大半。人間のようで人間ではない、人外種の連中ばかり。静かに、それでいて睨むように横目で通り過ぎれば、ふと、夜景に映える銀色が目に入った。大きな耳に大きな尻尾、、一見人間のような見た目をしているが、あれは希少種の狼だ、とすぐに分かった。
…強く、まさに世間が羨む種族。そんな彼が、自分の隣にいてれくれたなら、周囲の人は少しは自分を見直してくれるだろうか。そんな邪念が頭を過ぎれば、ポケットに入れた拳を握りしめ、相手の元へ駆け寄っていた。)
……あ、あの。突然すみません。
僕、前にもおにいさんを見かけたことがあって、それで
おにいさんに一目惚れ、しちゃったみたいで。
… その、よければ、付き合ってくれませんか?
( か弱い声に人の良い甘えるような表情。もちろん、これらは全て自分が少しでも平和に生きるための知恵。高身長な相手の顔を見上げ、思ってもいない事がペラペラと口をついて出る。我ながら珍けな様だ。)
(/ 初回で長くなってしまいましたが、返しづらいなどありましたらおっしゃってくださいね。)
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