少年 2023-04-23 20:24:13 |
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( こちらを労う言葉には、返事をすることなく視線は俯いたまま。…彼のような種族には差別や偏見など無縁だろう、と昔の事件なんて今の頭にはないようで、彼には悪いがそう胸の中で呟く。
此方からも特に言葉を紡ぐこともなく、沈黙が続いた末に帰ろうかと彼の顔を見あげれば、その時ちょうど彼の口が開かれた。聞けば、なんと彼の家で働かないかというお誘いで、唐突な申し出に一瞬きょとんと首を傾げる。)
な、なんでアンタの家で…。
いや、正直仕事があるのは助かるけど、俺がアンタの家でできる事があるかどうか……。
( 相手の意図を読み取れば、途端に慌てたように返答を。きっと此方のことを不憫に思ってのお誘いなのだろうが、情けを掛けられるのはあまり好きではない。だが、お金に困っているのは事実で、その気持ちはこの際率直に伝えておく。)
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