少年 2023-04-23 20:24:13 |
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( 少し笑った彼の顔をちらりと見やれば、次の瞬間には上着を被せられ慌てた様子で、は?と声を発した。そして、そのまま此方に背を向け、本人はそんな気ないのだろうがまるで子ども相手に補導するような言葉を聞くと、拗ねたようにブカブカな上着の端を引っ掴んだ。
今すぐにでも返してやろうかと思ったが、その暖かさが何だか惜しくて、ついつい無意識に袖を通してしまった。)
な、なぁ!アンタ、明日もここにいる?
いるなら、返しに来る。コレ。
( ちょっと嬉しさを感じている自分になんだか恥ずかしくなりながらも、相手の背に向かって上記を投げかけた。
これは、相手からの厚意を無駄にしないためだ、と心の中で言い訳しつつ、また会う口実を作ろうとしているのは、これまた無意識だろうか。)
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