少年 2023-04-23 20:24:13 |
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___…あーあ、もしかしたらと思ったんだけどな。
やっぱ、獣人様には通用しねぇか。
( 開口一番に嘘だとバレてしまえば、少しばかり誤魔化すようにうろたえる素振りも見せてみるも、彼の鋭い黄金の瞳は揺るぐことは無かった。肩を落としたかと思えば態度が豹変し、小さな舌打ちを1つ漏らせば低く言葉を呟いた。
治安の悪い路地などにいけば、人外用の人間バーなるものもあるぐらい、趣味嗜好の1つとしては多少需要はあるらしい。自分はそんなところで働くのは真っ平だが、目の前の彼がもしその嗜好の持ち主ならばチャンスはあったのになぁ、と頭をかいた。しかし、やはり気高い獣人には通用しないようだ。
…というよりも、そもそも自分は人間の中でも美形な訳でもないし、相手にされなくても当然か。)
……すんません、変なこと言って。
酒、飲んだから酔ってんのかも。
( 冷静になればなるほど、どんどん自分が浅はかで情けなくなり、俯いたまま相手には 酒をのんだ とまた取ってつけたような嘘をついて踵を返そうとする。)
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