匿名さん 2023-04-11 13:00:02 |
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(壁に掛けられた蝋燭の炎がチラチラと薄暗い部屋の中に揺れる。冬の早朝の様な、吐く息が白くなる幻覚に囚われる程その部屋の空気は寒く、氷の様な冷たさや生気の無さを感じる。部屋は広いものの、床には脱ぎっぱなしにされた服やワイン瓶が散乱し赤黒い染みが所々出来ており、何故か濃い鉄の匂いがしている。その他にも、ぐちゃぐちゃに何か描かれた紙や楽譜や本が散乱し足の踏み場が無い。そんな部屋の奥、入って左側には薔薇をモチーフにした豪奢な天蓋付きのベッドがあり、その中の影がゆっくり起き上がると入ってきた少年に向き、クスクスと笑いを込めながら)
おや。随分と若い訪問者だ。歓迎しよう。
(と若さがあるものの、どこか妖艶さを含んだ蛇の様な声で語りかけた。)
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