匿名さん 2023-04-02 18:19:54 |
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……ふふ、僕が繋ぎたいだけだから。
年寄りの我儘ってことにしておくれよ。
( 照れたように呟く彼の言葉が聞こえたのか、此方も優しく笑いながら上記を述べる。確かに、彼はもう小さな子供ではないし立派な大人だ。対して見た目はもうであれ、どちらかと言えば自分の方が更に歳を重ねて、彼にとっては年寄りになってしまった事だろう。それ故、子供の迷子防止ならぬ年寄りの迷子防止だな、と心の中で思う。
しかし、それでも握った手を離す気はさらさらないようで、とある店を指差すのを見ればそのまま頷いて店内へ。)
いやぁ、テオがいてくれて本当に助かるよ。
一人で来ていたらなんでもかんでも買ってしまいそうだ。
( 久しく来ていない町は店の中に並ぶ商品まですっかり変わっていて、あれやこれやと思わず目移りして居座ってしまいそうだ。それに比べて、可愛い愛弟子はテキパキと必要なものを見つけてあっという間に買い物を済ませていく。
そんな様子を呑気に眺めながら、自分は宣言通り大人しく荷物持ちをかってでる。
彼が家に来てくれなかったら、きっと今頃は物で溢れかえり手の打ちどころがなかったことだろう。)
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