匿名さん 2023-04-01 20:23:56 |
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(予想通り音を上げずに対抗してきた相手。その面構えは思わず息が詰まってしまうほど扇状的で、本人の丸い両眼はさらに見開かれていた。酒の効力は普段の緊張感を解すだけではなく、想像以上に侮れなかった。口内へ長い舌が迫って来て体中に電流が走るような感覚を憶える。俺らはこちらの方面でも相性が良かったのか、と。対してフレンチキスなぞは得意分野で相手のその不慣れな所も愛らしいと思う位の余裕は持ち合わせていた。そろそろ息苦しくなってきたのでお終いに、唇を噛むような口付けをする。ゆっくりと唾液が蜘蛛の糸のようになるのを見送ってから──そっと離し、頬を指先で撫でつつ陰のある笑みを向けながら呟いて。)
おいおい、何時にも増して良い顔してるじゃないか。
月並みな言葉だが……もっと、好きになってしまうよ?
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