( 何かに服の裾を引かれ、出入口の扉へと掛けようとした手がく、と動きを止める。同時に発された距離に対して声量を誤ったような呼び掛けに振り返ると、そこに立つのは撮影終わりの挨拶で忙しそうにしていたアイドル。ゆっくりと一度目を瞬かせては向き直り、何事だろうかと不審げな眼差しを投げ掛けて ) …ああ、水瀬さん。なにか?