匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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…、…ありがとう。
( 青春を謳歌する学生達とすっかり大人になってしまった自身との違いを実感していると、不意に傍からころころと笑う声が聞こえ。アトラクションが余程楽しみなのかと思っていれば、どうやら今し方の発言に対する反応らしく、己よりずっと若い彼女に〝若い〟と言われてもどう返して良いやら分からずに、当たり障りのない返答と共に薄く困り笑みを浮かべるばかりで。ついでに後ろに並ぶ客にも笑われたような気がしたけれど、勿論振り返って確かめるようなこともなく、列にそって進んだならついに順番が回ってくる。少女の遠慮がちな眼差しに「ん」と短く応え、隣り合って座るのは最前の席。緩やかな波に揺られて不安定なゴンドラの上へややバランスを崩してよろめきながらも腰を下ろし、他に見るものもないのでじっと前方を見据えて。そうしてゆっくりと発進した小舟が勢いを付けて水面へと突き進みぶつかる刹那、大量の水飛沫が宙に舞ってはその爽快感と降り注ぐ水粒に思わずふっと息が洩れ。レールに乗ってまたゆっくりと引き上げられて、ゴンドラが出口につけられる頃には、乗り込む前に見た大学生達と似た表情が顔の上に浮かんでいるだろうか )
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