匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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えっ、いいんですか?助かります、お願いします…!
( 足を止め進まない自分へと振り返った彼に気付いて視線を上げると、示されたありがたい提案に、ぱあっと表情を生き返らせる。ぜひ!と素直に受け入れては両手をぱちんとの顔の前で合わせながら請うと、数歩空いたお互いの距離を少し駆け足で埋めて。道ゆく人や行き交う車の搭乗者に濡れた衣服を見られるのは少し恥ずかしいため、肩に掛けたトートバッグの袋部分を背後側に寄せつつ車道沿いを歩き出していれば、ふと思い出したように〝うち〟について考えて。要するに彼の実家になるわけだけれど、もしかしてご両親がいたりするのでは…とはらはらしだしては落ち着かず。なんと言って挨拶すべきだろうか。玲ちゃん助けて、なんて心の中で願うも結局は半歩先の彼に尋ねるほかなく、おずおずと眉尻を垂らしながら焦りの色浮かべつつ問い掛けて )
…──あのぅ…逆巻さんのご実家ってことは、ご両親がおうちにいらっしゃるのでは…?わたし、なんて挨拶したら…!
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