主 2023-03-12 23:09:40 |
通報 |
(翌日、本部の上部の人間達は自分と相手のデータを確認し小さな声で『それで良い。もっと人々の期待と信頼を集めろ。』と囁く。上部の人間達が装着している狐面は何とも禍々しい真っ黒な物で会議室と思われる其の場所はやけに薄暗く怪しい雰囲気を醸し出している。)
(さて、稲荷家の朝。相手は休みの為息子も保育園をお休みさせ休みを満喫する予定の様だった。自分はというと慌てて化粧をしながら仕事に向かう準備を進めていた所。相手が休みの際は大体職場まで送ってくれる為ゆっくり眠ろうと思っていた昨夜、案の定寝過ぎてしまい時刻は遅刻寸前。息子と相手と車に乗り込めば、どうやら自分を職場まで送り届けた後二人は公園にいく予定らしい。)
「今日は平和に過ごしたいね。…って言ってるのは毎日か。しかも私達がこれ言っちゃうと大体現れてくれるんだよね。」
(不満気に呟けば運転しながら呆れたように笑う相手の姿。町はいつもと何ら変わりない様子。禍憑鬼の存在は最早自然災害の様な感覚にまで定着してきている。)
(職場に到着し「ありがとう。終わったら連絡するね。」と言いエプロンをつけタイムカードを差し職場の皆に挨拶をする。)
『おはよ!昨日稲荷さんの旦那さん大丈夫だった?テレビ見てびっくりしたよ…。』
「あー全然大丈夫!最近大人しかったのにね。久し振りの出現だからびっくりしたよー。」
(何気無い日常会話をしながらオープン準備を済ませば少し時間に余裕があり、コーヒーを飲みながら楽しく会話をしていた所、窓の外を見ればやたら霧掛かっている。)
「今日、雨降るのかな。」
『うわ外すごいね。しかも湿気っぽい。髪うねっちゃうよー…。』
『でも今日晴れの予報だったよ?天気予報も当てになんないね。』
(雨が降る前は必ず片頭痛に襲われるのに頭の痛みは感じない。薬を飲んでいるからかな?なんて呑気に思っては携帯を取り相手に「-霧凄いね。雨降るのかな。公園は辞めた方が良いかもね。-」と連絡する。そうこうしている間にオープンの時間になり、closeの看板をopenにひっくり返しては持ち場であるキッチンへと戻る。霧が立ち込めているのは自分の職場の周りだけで相手と息子が今到着した公園は実に青天で。)
トピック検索 |