主 2023-03-12 23:09:40 |
通報 |
(少し火の禍憑鬼との戦いに遡る。)
「まじでヤバいな。」
(ダメだ。全然攻撃が通じない。攻撃しようにも火力が高すぎて近づけない。)
「どうすっかなぁ」
(つい心の声が漏れてしまう。だが。なかなか楽しいもんだな。なんて考えている。)
(せめて一瞬火が消えれば、、。そんなことを考えていると自分のサイバーグラスのマップ表示に猛スピードでこちらに向かってくる人物がいることに気付く。只ならぬ殺気を放って。)
「うわぁ来ちゃってるよ。最強が。」
(こりゃ悪態付かれるぞぉ。なんてのも束の間『ほんと面倒くさい』ほら。)
「面倒といえば、小学生の頃理科の実験中にその内消えるだろうとアルコールランプの火を蓋で消すのを面倒くさがって理科室燃やしちゃってさあ」
『モ゛エ゛ロオオオオオ』
「なぁ窒息法って知ってるか?炎ってのは可燃要素を一つでも無くしてやれば消えるんだよ」
「《土印》障壁!」
「燃え盛るお前の周りの酸素を一瞬遮断したよ。そう一瞬でいいんだ。」
(敵は火力が弱まり何が起きたのか理解しきれてないようだ。だけどそれでいい。一瞬気を反らしてくれれば。)
(殺気満々で突き立った水の柱に敵が捕まる。あと、、あー斬撃が飛んでくる。)
「合わせろってことだよね」
(俺は拳を地面に突き立て一瞬力んだ後「発頸!」すると地面が一直線に敵に向かって裂けていく)
(『もう一撃』って聞こえた。うん。インカムから。)
「よっしゃ任せろっ」
(俺は小さく返事をした。ガントレットに札を装着し敵に向かい飛ばす)
「印結び《捕縛印》」
(相手の動きが止まったとほぼ同時に相手が切り込んだ。核を斬った為依り代になった身体が露出した)
「やっと終わったぁ」
(本部には相手が報告しているようだ。これから息子を迎えにシェルターに向かってもらうとして工場にはなんて言い訳しようか考えていた)
(あの火災ではもうみんな避難してるか。そんなことを思いながら歩いていると『おい!稲荷!お前大丈夫か!?』と工場職員が駆け寄ってきた。タフガイだなぁ)
「お疲れ様です。はい。逃げ遅れてしまってロッカーに隠れてました。」
『そうか。まぁ無事ならよかった。これから奥さんが迎えに来るそうだ。とりあえず着替えてきなさい』
(有難い。もう歩きたくなかったし子供の顔も見れるしな)
(そんなこんなで帰宅後は狐緋人制服の未着用だの無線の無断遮断だのでこっぴどく怒られた。『まぁ給料いいからいいか』なんて相手のため息まじりの一言に苦笑いをした。)
「そだねーははっ」
「そういえば、禍憑鬼ってどうやって生まれるんだ?負の感情があったってそれをかなり増幅させなきゃあんなバケモン人間に憑いたりしなくね?てかなんでいつも俺か相手のとこに出現するんだ?」
(『、、確かにね。』なんて相槌がくる。単純な疑問だがそんなことどうでもいいくらい今日は疲れた。インカムが通信中で繋がっているのが本部なのも忘れて。)
「太陽も寝たし、俺たちももう寝ようか。」
(寝る準備をして、静かに寝室の扉を開けて。)
トピック検索 |