主 2023-03-12 23:09:40 |
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(つまり、社長兼工場職員ってことかァ)
「まァ、やるしかないっしョ」
(考えたとこでなんも浮かばないし)
「燈が補佐なら問題ないよ」
(嫌そうな顔の燈に言う)
「じゃあこれから4人で頑張っていこうな!」
『…4人?』
「ああ。俺と燈、太陽そしてお前だよ。守。」
『ぼ、僕もですか?』
「当たり前だろ。お袋さんのこともあるし。それに・・・。」
『わかりました。僕はお二人に恩がありますし、全力を尽くします。』
「そう固くなるなって。なあ燈」
(燈はもうため息しかついてない)
「と、いうわけで守。明日そっちに行くから本部で待っとけ」
『はい?わかりました??』
(数十分の会話が続き最後に「じゃあな」といってインカムを切る)
(燈が『明日なんかやんの?』と聞いてきたが「お楽しみだー」と言って今日は床についた)
‐翌日‐
「おう!早かったじゃん」
『考え込んでいたら寝れなくなってしまって…』
(あんなにボロボロだった本部がもう完全に修復されている。もはや怖いわ)
『あの今日は何かするんですか?』
(守の言葉にふふんと笑うと)
「守、お前にも狐緋人になってもらう!」
『え・・・!?』
『え・・・!?』
(守と燈が同時に言う)
「いや、って言っても実戦はまだだけど。」
『でも、僕能力とか持ってないし術とか使えないですよ?!』
(もっともだ。だが。)
「そこでウチの太陽の出番ってわけだ。」
『付与、ですか?』
「そう。太陽の天照大御神との親和の訓練にもなるしな。」
『わかりました。少しでも役に立てるなら、母さんのような人を出さない為に…!』
「よし!」
(『大丈夫なの?』と燈が心配そうに言う)
「大丈夫だろ。それに付与される能力に大方の予想がついてる。その為にわざわざこれを【あいつ】に作らせた。」
(『そ。』という燈の安堵の返事に少し笑って返すと)
「いけるか?太陽!」
『うん!できる!』
『‐タイちゃんなら大丈夫だよネ‐』
『太陽くんよろしくお願いします!』
『うん!守お兄ちゃん!』
「よし。太陽頼む!」
(太陽が『はーい!』と言うと天照大御神と共に詠唱を始めた。)
『日は緋。陽は耀。我願い奉る。汝に進むべき道を切り開く力を。根源より覚めし汝の魂の扉が今開かれん。』
(詠唱が終わると守の体が光る。そしてその光はスッと消えた。)
『成功ってことでしょうか??』
『うん!終わったよおかあさん、おとうさん。』
「何か体に異常はないか?」
『あ、はい。いや…。これは!』
『気配…気配を感じます!そしてその気配を目視認識しています!』
「やっぱりか。」
『やっぱり?』
「いや、たぶんお前は頭の回転が速いし情報処理能力に長けている。だからだろ。」
『そこまで分かった上で太陽くんに?』
「ああ。そして。その能力はサポートにも戦闘にも使える。」
「名づけるとしたら…気配察知《レセプションレコン》でどうだ?」
『レセプションレコン…これで役にたてる!ありがとう太陽くん!』
『ぜんぜんいいよー』
「そしてこれは俺らからの餞別だ。」
(そう言うと守に二丁拳銃を渡した。)
「これはお前専用に作ってもらった対マガツキ用機械双小銃【木葉】と【咲夜】」
『これを僕に?』
「ああ。その銃をお前の能力。お前には【ガンカタ】という戦闘術を叩き込む。これからは毎日俺から基本の立ち回り、燈からは情報収集その他全般を学んでもらう。」
『ま、毎日?!ですか…。』
「あ、そういえば会社名。考えてなかったなぁ」
『もうそのまま狐緋人でいいんじゃない?』
(燈は飽きてきている)
「面白味がないなぁ。うーん。」
「じゃあこれでいこう。」
(《対マガツキ専攻対策結社【エモーショナルフォクシー】》)
‐第一章・完‐
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