主 2023-03-12 23:09:40 |
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『もう良い。用済みだ。私はこの肉体、燈の肉体を手に入れる。』
(ハルアキラの言葉に瀕死の燈を腕に抱いたまま、こちらも怒りを感情のまま言葉に乗せて言い放つ)
「このクソが、百回殺す」
『何を言い出すかと思えば、呆れますね。今の私は精神のみ、まあ闇御津羽神の力で精神という名の闇ですがね。言ったでしょう。あなたに私は殺せない。』
(ハルアキラの声だけがその場に響く。)
「くそ…どうすれば‥」
(物理攻撃は聞かない、天照大御神の力は太陽にしか使えないが巻き込めない。考えろ。考えろ。)
『‐あー、つまんねえな、つまんねえよ。お前。‐』
(その声は突然聞こえた。ハルアキラとは違う怒気があるがダルそうでもあるその声に先に耳を貸したのはアマちゃんだった。)
『‐ミッちゃん!‐』
(ミッちゃん??)
「ミッちゃん??」
(しまった。心の声が出ちまった。)
『‐あ?その声やっぱアマテラスか?‐』
(ミッちゃんとやらがアマちゃんの声に反応する。)
『‐そうだヨ!ミッちゃんそんなとこで何してるの!?‐』
『‐こいつがよー。数百年前によ。面白いものが見れるって言うからよ。‐』
(そこでハルアキラの声がまた響く)
『何をしているのです闇御津羽神。早く私ごと燈の肉体に入りなさい!』
『‐これだよ。何がつまんねえって人でも神でもねぇお前に俺をどうこうできると思ってんのがつまんねえ奴だって言ってんだよ。‐』
(その台詞と共にミッちゃんが姿を現す。その姿は天狗のような恰好と黒い翼。人の顔に青い文様が入っている。そして、)
「イケメンやん」
(これが闇御津羽神。只ならぬオーラと圧にビビッてしまう。)
『‐その女、燈…とか言ったか?そいつはまだ死なねーよ。そうだろ?ヤト。』
(ヤト?夜刀神のこと?もう全然分からん。)
『‐無論。儂の呪域に燈の血一滴残らず繋ぎ止めておる。‐』
『‐なら話は早い。俺もこいつに憑く。そうすれば燈は魔我津狐緋人としてまた戦える。‐』
「なに?じゃあまたあの姿になるのか?」
『‐いや、それは燈次第だ。えー、日影。だっけ?人間に備わってる唯一無二のものって何だと思うよ。』
「は?知らねー…いや。【喜怒哀楽】、か。」
『‐正解だ。お前らが大事にしているその感情。喜び、悲しみ、全て含めてお前ら『人間』だろ?‐』
「そうだな…はは。」
「まさか負の感情の神に諭されるとは」
『‐確かに俺は闇の神だ。負の感情を増幅させる。‐』
『‐だが。その負の感情に囚われず力に変えた奴もいた。俺は俺を使いこなせる奴が好きなだけさ。‐』
「けど闇の力だろ?もし燈がまた・・」
『‐闇とはいわば引力。お前らが俺を引き合わせたんだ。‐』
「分かった。燈を、頼む。」
『‐ミッちゃん…‐』
『‐悪いようにはしねぇよアマテラス。俺はお前に借りがあるしな。‐』
『‐…うん。‐』
(何やら神同士の会話が終わると)
『‐さて、燈。目を覚ませ。‐』
『‐そして、お前の一番嫌いなものを俺に喰わせろ。‐』
『‐それに見合う力を引き合わせてやるよ‐』
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